ものづくりにおける生産管理システムの必要性 2020 4/02 2020-04-02 最近、得意先が増えて注文量も増えてきたから、生産現場の管理が大変になってきたなぁ… お客様から不良の問い合わせがあって、すぐに謝り良品を送ったけど、今後の品質改善をどうしようか 業種・業態はさまざまありますが、ものづくりをしている方は生産管理でお悩みをたくさん抱えておられます。「ものづくり」=「生産」する時間に集中することが一番大事ですが、企業活動は営業してお客様から注文をいただいて商品を作って発送、商品在庫があればすぐに発送、返品の対応、スムーズに生産するために計画を立てるなど、ものづくり以外の時間がたくさんあります。 いままで中小製造業を中心に、100社以上の生産管理のお手伝いをしてきた中で感じたことを体験を交えながらお話させていただきます。 ●みなさんどうやって生産管理していますか? いきなりご質問になるのですが、確認してみてください。 生産管理というと会社によって、管理の仕方はさまざまです。よくある管理方法として下記の3つがあります。 紙ベースの管理がメイン (アナログ管理) エクセルなど表計算ソフトを多用 (デジタル管理-紐付なし) 生産管理システムを活用 (デジタル管理-紐付あり) 例えば「生産指示をして作業報告をする場合」で考えてみます。 ①紙ベースの管理がメイン 生産予定はホワイトボードで管理し、作業者は図面を見て製作し日報に手書きで記入するというような管理です。アナログな管理は、実際にはまだまだ多いです。たまに「うちの生産管理は感ピューターや!」とおっしゃる担当者さんもいらっしゃいます。(感覚で管理している意味ですが、この感ピューターは、長年の経験に裏づけされた意外に侮れないところがあります…)課題はたくさんあり、わかりやすいのは転記作業が頻繁にあります。例えば、日報から作業実績を収集するためにエクセルに転記しないといけません。 ②エクセルなど表計算ソフトを多用 生産計画をエクセルで立てて、作業指示書を印刷し、作業者は作業実績を指示書に記入。在庫は別のエクセルに入力するというようなイメージです。デジタルな管理ですが、エクセルの情報が繋がっていないので生産計画ファイルを更新して、在庫管理ファイルを更新して…などとエクセルファイルの数だけ手間があります。もちろん社内にプログラムを少しでもわかる人がいれば、エクセルのマクロなどを利用して連携することもできます。ただし何かあったときや担当がいなくなった時のメンテが大変になったりします。 ③生産管理システムを活用 販売管理ソフトや生産管理ソフトを利用して、受注→生産計画→作業指示書を発行→生産実績はバーコード入力して完了と情報が繋がっているイメージです。デジタルな管理で情報も繋がっているので、1度入力したら業務が進むごとに処理をしてその情報が最後まで流れていくので効率的になります。理想の形は生産管理システム(「システム=仕組み」と考えてください)に情報がまとまると、生産に関わることがわかるのでよく「工場の見える化」につながると言われます。ただ生産管理ソフトを導入したからといって自動的に効果が現れるわけではなく、会社全体で運用することで効果が発揮されます。なので生産管理ソフトを導入したけど難しくて使えない、自社に合わない、一部の機能しか使っていないなどと課題が残っている場合がよくあります。 実際にはみなさんの会社でも管理する内容で、①〜③の管理方法が混在していることが多いのではないかと思います。 ●では実際に会社の管理業務の内容を整理してみましょう 管理内容概要販売見積→受注→納品などと取引する上での、伝票や金額の管理購買・調達製品を作るために「部品、材料、外注加工」の調達を管理する在庫製品/商品/仕掛品がどれだけあるかを管理生産計画どんな予定で生産するかを決める(納期があれば遅れないようにする)工程生産工程のどこまで進んでいるか進捗管理して、生産計画ずれがないか調整原価製品を作って利益があるか計算する(加工原価+仕入原価を抑える)品質良品を作るために、不良品をゼロに近づける(不良が出ても後から追跡できるようにする) このように管理内容が多岐にわたるので、販売と購買管理は販売管理ソフトを利用し、生産に関わる内容はエクセルや生産管理ソフトを利用している会社が多いです。 ●生産管理はシンプルに管理することが大切です 管理内容を考えた時に、あれもこれもと考えていくと最終的に細かい所ばかりに目がいってしまい、最終的には現状でも管理できているのだからこのままで良いという結論になることがあります。そんな時にはもう一度振り返ってみましょう! 【課題】生産管理システムがないとバラバラな管理による課題があります。 業務管理で情報を転記するムダの発生 情報が連動していないため、変更内容の反映が大変 現場にいって進捗を確認しないと状況がつかめない 【解決】生産管理システムで一元管理することによって解決できます。 業務効率がアップし、さらに「ものづくり」に取り組める 業務の標準化につながり、会社としての仕組みが出来上がる 工場の「見える化」を実現し、リアルタイムに状況がわかる 大事なことは、できるところから段階的に進めていくことです。アナログでバラバラの管理から生産管理ソフトを活用し一元管理できるように進めていきましょう。 町工場が作ったシンプルで使いやすい生産管理ソフト 「アシストシリーズ」はこちら blog 生産管理 IT導入補助金2020 - 1次公募が締め切りました 「中小企業デジタル化応援隊」事業に専門家登録されました